屋形船はいつから始まった?歴史・由来や現代の屋形船の魅力を紹介
水上を行く屋形船は、江戸情緒あふれる風景として親しまれてきました。その歴史をひもとくと、平安時代にまで遡ります。
この記事では、屋形船の歴史と由来、そして現代の屋形船の魅力について解説します。
歴史や由来を知ることで、屋形船をより一層楽しめるでしょう。
目次
いつから始まった?屋形船の歴史・由来
屋形船は、下記のように時代ごとに変遷してきました。
- 平安時代:貴族の「舟遊び」が起源。「とま」をつけた舟が原型。
- 江戸時代:大名や豪商の豪華絢爛な屋形船が楽しむ一方、庶民の間では「屋根船」が広まる。
- 明治時代~:太平洋戦争や水質汚染で一時衰退するも、1980年代のバブル期に復活し現在の姿に。
それぞれの時代において屋形船はどのような姿だったのか、詳しく紹介します。
平安時代|ルーツは貴族の「舟遊び」
屋形船のルーツは、平安時代の貴族たちが楽しんだ「舟遊び」にあります。
「管弦の遊び」と呼ばれ、舟で川に浮かびながら琴や笛を奏で、酒宴が楽しまれました。当時の舟には屋根はなく、「とま」と呼ばれる天蓋のような屋根をつけたのが始まりです。
「源氏物語」には、光源氏が六条院で舟遊びを楽しむ様子が描かれています。貴族たちにとって、舟遊びは欠かせない娯楽だったようです。
平安時代以後、「とま」をつけた舟に畳敷きの部屋を設け、障子で囲った「御座船」が登場します。これが現在の屋形船の原型です。
江戸時代|庶民が楽しむ「屋根船」も盛んに
江戸時代になると、舟を楽しむ文化は庶民にも広がります。
大名や豪商は豪華絢爛な屋形船で酒宴や芸者遊びを満喫。徳川家光の屋形船は、軍船形式の御座船で、非常に豪華だったと言われています。
「東海道中膝栗毛」では、弥次郎兵衛と喜多八が屋形船に乗る場面があります。当時の屋形船の様子を垣間見ることができる興味深いエピソードです。
一方、庶民の間では釣舟に屋根を付けた「屋根船」が普及します。花見や涼み、紅葉狩り、釣りなど、様々な目的で屋根船が活用されるようになりました。
歌川広重の浮世絵にも、屋根船で隅田川を渡る庶民の姿が。江戸の風物詩として、屋根船が親しまれていたことがわかります。
明治時代~現代|一時は衰退するもバブル期に復活
明治時代以降、屋形船は太平洋戦争による統制で、屋形船の廃業が相次ぎました。また、高度経済成長期には水質汚染や河川改修で屋形船を出す環境が失われます。
しかし、1970年代後半から徐々に屋形船が復活。1980年代のバブル期には再び人気が高まり、カラオケ設備やエアコンを備えた現在の姿へと進化を遂げました。船内で快適に食事やお酒、カラオケを楽しめる空間へと生まれ変わったのです。
2021年現在、東京都内で営業する屋形船の軒数は約50軒。コロナ禍の影響で一時的な減少はあるものの、屋形船文化は脈々と受け継がれています。
参照:東京屋形船連合会
現代の屋形船の魅力とは
時代の変遷を経て、屋形船はより人々に愛される形に進化してきました。
現代の屋形船には、下記のような魅力があります。
- いつもと違う視点から景色を楽しめる
- 船内で食事やお酒を楽しめる
- お花見や花火などのイベントを人混みを避けて楽しめる
屋形船で景色やお食事を楽しむ時間は、思い出に残る優雅なひとときとなるでしょう。
いつもと違う視点から景色を楽しめる
現代の屋形船の大きな魅力の一つは、陸上とは一味違う視点から景色を楽しめることです。
昼間は、川沿いの緑あふれる風景を楽しめます。特に、隅田川沿いの桜は東京スカイツリーとのコラボレーションを楽しめることから人気が高く、春のお花見シーズンには多くの人が屋形船を利用します。
夜は、ライトアップされた街並みが水面に映え、ロマンチックな雰囲気に包まれます。東京の象徴である東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジ、高層ビル群を眺める艶やかな夜景は、船上からの眺めならではの感動を呼び起こします。
また、屋形船は移動しながら景色を楽しめるのも魅力。東京の名所を次々と巡りながら、変化する景色を堪能できます。
船内で食事やお酒を楽しめる
船内で食事やお酒を楽しめることも、現代の屋形船の魅力です。
ゆったりと流れる景色を眺めながら、美味しい料理に舌鼓を打つ。そんな優雅なひとときを、屋形船なら満喫できます。
提供される料理や飲み物は屋形船やコースによって様々です。ランチやディナーから選べることはもちろん、コース料理やお弁当などプランや予算によっても選べます。
また、東京下町の名物として知られる「もんじゃ焼き」も屋形船で楽しめます。船上でお酒を飲みながら、アツアツのもんじゃを頬張るのは、屋形船ならではの楽しみ方だといえるでしょう。
また、多くの屋形船では飲み放題プランも用意されています。ビールや日本酒、焼酎など、お好みのお酒を景色とともに味わえば、至福のひとときを過ごせます。
花火大会やお花見などのイベントを人混みを避けて楽しめる
花火大会やお花見などの季節のイベントを、人混みを避けつつ絶景スポットで楽しめるのも、屋形船ならではの魅力です。
隅田川花火大会は、東京の夏の風物詩。例年100万人以上が訪れる人気のイベントのため、混雑は必至で場所取りも大変です。
屋形船なら、東京スカイツリーを背景に絶景スポットで花火を鑑賞できる特等席を、事前予約で確保できます。都心の喧騒を離れ、涼やかな川風に吹かれながら、間近で打ち上がる花火を楽しむ時間は、一生の思い出に残る体験となるでしょう。
また、屋形船はお花見にもおすすめです。東京都内の桜の名所は混雑することが多く、ゆっくりと花見を楽しむのは至難の業。
屋形船でのお花見なら、桜並木の間近を船で進むことができるため、まるで桜のトンネルを抜けるような体験ができます。上野公園や隅田公園などといった桜の名所の風景を、川の上から独占できるのです。
船上でお食事やお酒を味わいながら眺める桜は格別なものであること間違いありません。
【品川屋形船】船宿平井の屋形船の魅力
品川駅から八ツ山橋で線路を越えてすぐの場所に乗船場を構える船宿平井。
経験豊富な船頭の案内のもと、ゆったりと東京の絶景を楽しみながら旬の食材を使用したお料理やお酒をお楽しみいただけます。
舟宿平井の屋形船の魅力は多岐にわたりますが、ここでは3つに絞って紹介します。
- 東京の景色を楽しめる4つの周遊コース
- 絶景スポットから見られるお花見や花火
- 旬の食材を使用したお料理
東京の景色を楽しめる4つの周遊コース
船宿平井では、東京の美しい景色を堪能できる4つの周遊コースを提供しています。
- お台場 東京港内コース:お台場で停泊するため、レインボーブリッジとお台場の夜景をゆっくりとご堪能頂けます。帰り際イルミネーションで着飾った勝鬨橋を楽しめます。
- お台場 隅田川コース:お台場で停泊後、隅田川をのぼりイルミネーションで着飾った橋の数々を見学しながら、清洲橋中央から東京スカイツリーを眺めます。
- お台場 東京ゲートブリッジコース:お台場で停泊後、有明埠頭付近で今話題の東京ゲートブリッジ(恐竜橋)を見ることができます。
- 隅田川 東京スカイツリーコース:隅田川をのぼりイルミネーションで着飾った橋の数々を見学しながら桜橋付近で東京スカイツリーを眺めます。(桜の開花時期はお花見コースになります。)
各コースとも、経験豊富な船頭の案内のもと、ゆったりと東京の景色を楽しみながら特別なひとときをお過ごしいただけます。
また、展望デッキが完備されている屋形船で楽しむ船上からの大パノラマは、昼夜問わず絶景そのもの。
カラオケ、冷暖房、水洗トイレも全船に完備しているため、一年を通して快適な船の旅をお楽しみいただけます。
絶景スポットから見られるお花見や花火
船宿平井では、季節のイベントに合わせたさまざまなプランをご用意しています。
お花見や花火の名所は人気スポットゆえ、場所取りや混雑に悩まされるもの。しかし、屋形船にご乗船いただければ、そうした心配は無用です。
お食事やお酒を片手に、ゆったりとお花見や花火鑑賞をお楽しみいただけます。
旬の食材を使用したお料理
舟宿平井では、旬の食材を活かした揚げたての天ぷらや新鮮なお刺身など、自慢の料理の数々をご賞味いただけます。
ディナーでは乗船料・飲み放題・お食事がセットになったお得なコースを3種類ご用意。
ランチにもリーズナブルなお弁当コースもご用意しておりますので、昼夜を問わず、ごゆっくりとお食事やお酒をお楽しみいただけます。
まとめ
屋形船の歴史は平安時代に遡り、江戸時代を経て現代に至るまで、それぞれの時代の文化を映してきました。
現代の屋形船は、下記のような様々な魅力にあふれています。
- いつもと違う視点から景色を楽しめる
- 船内で食事やお酒を楽しめる
- お花見や花火などのイベントを人混みを避けて楽しめる
品川の船宿平井なら、東京の美しい景色を堪能できる周遊コースや、季節のイベントに合わせた特別プランが充実しています。旬の料理とお酒とともに、優雅で特別なひとときをお過ごしいただけます。
ぜひ一度、現代の屋形船の魅力を体験してみてはいかがでしょうか。
屋形船の貸切にも対応していますので、東京で屋形船の利用を検討している方はお気軽にお問い合わせください。